幻像水月

 洋画メインで映画のレビューとかリアルのこととか書いてます。

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 今回も例のごとく。一ヶ月に5本のペースになってますが、時折レビュー書くの面倒くさくn(ry

 今回も知名度高い奴です。こちら
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 孤児の男の子が様々な苦難と面を向きながら幸せへと向かっていく物語「オリバーツイスト」です

 これがまだ劇場公開してた時期に、CMでおすぎがけっこうオススメしてたので興味を持ちました。
 きっかけはおすぎです(ぇ


 では、見て行きましょう


 舞台は19世紀のイギリス。孤児のオリバー・ツイストは、救貧院にバンブル氏の手に引かれながら連れて行かれた。
 9歳となった彼は、この施設で麻屑作りの労働を強制的に行わせられた。

 救貧院の制度が開始されてからと言うもの、与えられる食事は日に日に粗末なものになって行き、その量も信じられないほど少なかった。その上この労働。子供達はいつもお腹をすかせていた。狂ってしまいそうなほどに。

 空腹に耐え切れなくなった子供達は、くじ引きでおかわりを要求する係りを決める事にする。まさに貧乏くじ。
 その貧乏くじを引いてしまった人物こそ、オリバーである。彼は、食事の時間の際、救貧院の大人たちのところに歩み寄り、おかわりを要求した。

 すると大人たちは、みるみる内に顔を怒りの色に染めて行き、大人達からこの救貧院への追放を言い渡された。
 それから数日たち、オリバーを引き取ろうとする人間があらわれた。名前はサワベリーと言い、職業は葬儀屋だった。オリバーのような顔の美しい少年は葬儀のお供の役目に適任、として引き取ったのである。

 ところが、サワベリーの元にはもう一人、働く男の子がいた。彼はオリバーを目の敵にし、暇さえあればオリバーを挑発していた。オリバーはそれに耐えながら仕事をするしかなかったのだが、ある日、その少年は亡くなったオリバーの母の事を「アバズレ女」と称したのだ。それを聞いたオリバーは我を忘れるほどの怒りに駆られ、少年に飛び掛る。
 その後、オリバーはサワベリー氏の妻から“おいた”を受けたのは言うまでもあるまい。

 翌日、オリバーはこっそりとサワベリー家を飛び出した。行きたいところなどなかったが、道端でふと立て札を見つけた。そこにはこうあった。
「ロンドンまで70マイル」
 そうか大都会だ。何かいいことがあるかもしれない。7日間歩き続け、ロンドンに到着した。

 ロンドンに辿りつき、ヘトヘトのオリバー。そんな彼の元に現れたのはシルクハットを被り、大人びた服で身を包んでいる少年、アートフル・ドジャーであった。
 ドジャーは、街の露店街からパンを盗み取り、オリバーに与えると、「タダで泊まれる場所がある。ついてきな」と言い、オリバーの手を引いた。

 たどり着いたのはロンドンの路地裏のとある家。そこには家の主であるフェイギンと、ドジャーと同じような境遇の少年少女達がいた。

 「新入りを連れてきたよ、フェイギン」とドジャー。

 オリバーは唖然としながらも、自分の居場所ができたことにわずかな安心感を抱くのだが・・・・・・。



 というお話なんですが、ほろ苦いラストが特に印象的でした。しみじみとおわると見せかけたほろ苦さ。
 全体的な話の展開としては、ちょっとした「絵本」のような話になってるんですよ。絵本というか、童話というか、紙芝居というか・・・。

 詳しい説明が無くても、オリバーは世間的によく思われていないんだな(孤児だから)とか、救貧院の子供達に与えるご飯はわずかでも、その大人たちは卑しい事に、豪勢な食事を食べているんだな、といった、そういう世界観の要素を視覚的にさりげなく映しているので、オリバーのおかれている状況とか、この世界の景気(のようなもの)とかの様子がとてもわかりやすいんですよ。

 だから、長いフィルムで、登場人物がやや多めなんですが、そういった見せ方のおかげで全然混乱しないんですよ。

 それから背景も良い。19世紀のイギリスの風景を再現しただけあって、雰囲気がばっちりですね。街の雰囲気や匂いだけでなく、例えば、露店街は栄えているが、路地裏は荒くれ者たちの巣だったりとか。説明なしのこういう見せ方も、さっきの話と関わってきます。


 この映画は強引な言い方をすれば、オリバーが「孤独」から幸せへの道へ向かっていくという話ですが、そういう話の展開ならば、この映画にはちょっとその「孤独感」が足りなかったんじゃないかなぁ、と個人的に思います。

 もう少し、絶望的な要素があったほうが、ラストの意味がさらに大きくなると思うので、ここらは少し残念に思います。


 でも、主人公であるオリバーが早い話、この世界の「光」と「影」の世界を行き来して強くなっていくと言うのが大きなポイントだと思います。
 「光」とは、つまりは普通の生活を遅れている人達。もしくは裕福な人達。「影」とは当然その逆、盗みをしないと食べていけない人達(ドジャーやフェイギンを始めとする人物達)や、物語序盤のオリバー(孤児であり、労働を強いられ、さらには世間からの冷たい目線を受ける人達)のことを指しています。

 この「オリバーツイスト」にはその二つの真逆の世界の行き来を繰り返す事で物語が進行しています。
 ロンドンまで70マイルという途方も無い距離を歩かなければならない。ここは間違いなく「影」です。
 そのあと、オリバーはロンドンに着き、ドジャーたちと会い、寝床やご飯をもらう。ここで「光」になります。(ただし、この光は息を吹いただけで消えてしまいそうな炎のようなもので、非常に脆弱な光であるが)

 まぁ、これ以上はネタバレになってしまうので、言うのは控えますが、とにかく、そのような「光」と「影」(もっというなら表と裏)の小さなできごとが繰り返し繰り返し起こっていく物語なのです。この話の構成は僕はとても面白いと思います。
 ついこの間まで「光」だと思っていたのに、今日には自分を妨げる「影」になっていた。というように。


 そんな道を進んでいくのが、主人公のオリバーなんです。物語の終盤では、その「光」と「影」の両方を知ってしまったがために、彼は苦悩します。(どんな苦悩かは本編を見ていただくとして)

 「影」の方にいる人達はそれこそ盗みを行ったりしているが、彼らなりの事情があって、やっているだけであって、何も悪い人達の集まりというわけではありません。

 ここで、ネタバレにもならないネタバレをひとつしますが、オリバーがドジャーに連れられて行った家の主のフェイギンという老人。この男性は世間から見れば、立派な犯罪者であり、物語中盤では、この上ないお邪魔キャラとなってしまうのですが、実はこの男性はこの上なく心優しい老人なのです。

 このフェイギンという老人は、ある意味とても幸せな人であり、可愛そうな人であり、そして、不幸な人でもあります。この映画をご覧になる際は、どうかフェイギンという老人を見捨てずに見続けてあげてください。

 幸せの道、つまり「光」の方へ進んでいったオリバー。堕ちるところまで堕ちてしまった「影」の人、フェイギンが物語のラストにオリバーに送る言葉の意味は、とても重く、なによりフェイギンに共感していただきたいシーンでもあります。

「光」に生まれ、育った人では決してわからない、「闇」と「光」を歩いたオリバーだからこそ理解できる、その言葉がとてもよかった。

 こんな大きな意味がある映画なのに、絵本のようなわかりやすさを秘めているから不思議です。
 ただの少年の成長を描く、だけでは足りない要素がこの映画には詰まっています。


 「オリバーツイスト」は人の心に触れられる映画だと僕は思っています。
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いいものだと思うけど、高けぇ!!

2007.06.14 19:42 URL | らすてー #- [ 編集 ]













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